一般社団法人数理暦学協会は、算命学の理論を今の時代に照らし合わせ、「現代に生きる人のための運命学」を発信していく協会です。
先日行われた天中殺のワークショップにて、提示された意見について大変面白く、また天中殺理論の根本から見直さなければならない時代だと感じ入ったので、ここにご報告させて戴きます。
天中殺について基礎知識が全くない方に、天中殺の理論を簡単に説明し、次の2つのテーマで話し合ってもらいました。
「天中殺期間中の結婚はどう思うか?」
「天中殺期間中の恋愛はどう思うか?」
算命学における高尾義政先生の理論では、天中殺期間は現実空間が虚であるため、【恋愛】は可としても、【結婚】は現実面の充足感を目的としているため、不可と捉えます。
つまり、結婚は家族を作りだすものであるため、結婚した時点をスタート地点とし、幸福も財産も地位名誉も発展させていくことを目的としています。
このように、現実生活の拡大を発展を目的としているため、天中殺期間中の結婚はしない方が良いという解釈になるのです。
しかし…
彼女たちが下した答えは、その逆で、恋愛はダメだけれど、結婚は良いという判断でした。
今の時代を力強く生きる彼女たちの生の声。運命学とは何かというと、今の時代を生きる人たちの運命である為、運命学理論の解釈の変化の大切さも同時に学ばせて戴きました。
恋愛には、結婚に結び付けたいと願う恋愛 つまり先を考える恋愛と、先を考えずに好きだから付き合うという精神的充足感が目的の恋愛があります。
昔の時代と違い、自由恋愛がそのまま結婚に直結することが当たり前の現在、どちらにしても、恋愛こそは天中殺期間ではない方が良い、冷静に考えることが大切だというのが彼女たちの判定でした。
つまり、恋愛期間内とは、結婚相手として相手を見定める期間であるため、これは冷静に判断することが大切なため、天中殺期間は外した方が良いという考え方です。
そしてもう一つは、精神的充足感だけを目的としたもの、「好きだから付き合う」という後先考えない恋愛(既婚者の恋愛もこれに入ります)
これは、天中殺期間だと逆に終点が見えずに拡大し、底沼が見えない怖いものがあるのではないかという意見でした。
今のように自由恋愛の時代、確かに真っ暗闇の中での恋愛は、相手が見定めないからこそ相手に執着し、しがみつくものがある、故に、恋愛期間はある程度の冷静さが必要であり、故に天中殺期間内ではない方が良いという意見だったのです。
それでは結婚はどうかというと、
結婚は、便利な今の時代、別にしなくてもよい制度(…だそうです。)
そのため、かなり思いきった判断をしない限り、中々勇気がもてずに出来ないというご意見。
時々会うにはよい関係だった相手と、一つ同じ屋根の下に住み、相手の家族との交流なども始まる事などの煩雑さを考えると、余程自分を見失わない限り(?)中々踏み切れないという意見があり、これもまたしかり。
特に、若い時はまだしも、ある程度の年齢になると相手を冷静に捉え過ぎてしまう…。
だから結婚できない!
天中殺期間の不安定気分でない限り、結婚なんてしないんじゃないかという、ご意見…。
では、相手を間違えて選んだらどうするの?って聞いたら、
そもそも最初から結婚には期待していないから、そんなものだとスルーできるかも…と。
それより未婚のままで、一生結婚出来なかったと言われるより、既婚歴があった方が価値が上がると…。
成程、今どきの解釈でもあり、確かに暦学は古典理論なので、これは男性目線 中でも庶民ではなくある程度の地位にいる男性主体で捉えてきた解釈であることを考えると、これを現在の女性に当てはめると解釈も逆になるのもありかと思った次第です。
男性にとり、結婚そのものが虚であると陰陽学では捉えます。(陽×陰→陰化)
天中殺の空間欠如とは、足元が見えない時期が天中殺なので、足元が見えない時期に結婚すると足元をすくわれるようなことが起きる。故に虚。
恋愛と結婚を完全に切り離していた時代においての理論であり、恋愛が結婚の直結している今の時代、恋愛期間こそが冷静になるべき時期であり、結婚は不安定な時期でない限り行わないのではないかというのはある意味時代に即した理論であり、学ぶべきもの多しでした。
最後に、天中殺理論は非常に深淵なる理論であり、虚実や空の理論が理解できない限り、解釈が出来ずといいます。
勿論私も深い解釈はこれからであり、これを深く追求するには仏教と易経を学んでいくしかありません。
虚虚の虚が実であり、実虚の実が虚である現代社会、天中殺理論一つとっても奥が深く、学ぶべきことが多く、時代に合わせた解釈の難しさと面白さを感じいったものです。
一般社団法人数理暦学協会は、このように時代に合わせた運命学へと発展させていく事を目指します。
2020年度は運命学をテーマにしたセッション講座を増やしていく予定です。
是非ご参加戴けたらと思います。
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